卒業生紹介

2021年度 本科2年卒業      川内亜津子

着物のタイトル

赤と黒

 

制作の意図・背景

志村ふくみ先生の作品「橋姫」に惹かれて、いつか蘇芳の赤と、植物では決して染めることができない黒をテーマに、経絣の着物をとの思いを抱いていたことから織ったものです。この作品を通じて、蘇芳の色、蘇芳の染めの奥深さ、黒とグレーの色の違い、長い経絣の染めの難しさを学びました。この作品を通じて植物の持つ色の力強さを感じ、植物で染めることの難しさをも経験し、今後も植物の色を引き出して制作することの大切さを意識したいと思うようになりました。

 

染織への思い

予科の半年、そして本科の三年間は私の人生の中で充実した時間でした。草木の種類、使用する量、そして炊き出す時間により、毎回違う色に染まる色の不思議を目の当たりにするたび、一期一会という言葉は染めのためにあるのだと感じました。色々な草木での染めから生まれる色を経験し、また糸を織ると裂になる、当たり前のようで織り入れ方によって毎回異なる色の裂となる織りと向き合い、染織の時間を過ごせたことは、幸せな思い出となりました。三年と半年の時間を大切に抱きつつ、染織の時間の続きを歩んでいきたいと思います。

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