卒業生紹介

2021年度 本科2年卒業 清水泰子

着物のタイトル

ヒカリヘ

 

制作の意図・背景

アルスが始まって間もなく亡くなった姉。機織りのリズムの中、色々な場面を思い出すことがありました。
洋子先生より花群星のお着物を見せていただく機会がありました。その時の優しく柔らかい星の輝きがまるで空から包み込む光のようで、これまでお世話になった故人の方々の存在を何処かに感じました。2年になり、経絣のデザインを考える時、姉のことをテーマにしたいと思いました。自分に巡ってきた運命にしなやかにおおらかに立ち向かった姉。これから子育てをしていく若い息子夫婦や遺された家族への幸せを願って木洩れ日のように慈愛に満ちた光を降り注いでいる–そんな姉のまなざしを経、緯の絣で表現してみました。

 

染織への思い

夜の闇では色は静けさを纏っています。朝の光の中で少しずつ明度と彩度を取り戻していきます。温度や湿度でも表情を変えながら…。人の放つ色もこんなふうに状況で異なるのかもしれない。それが見えるのか見えないのか、気づくのか立ち止まるのか、通り過ぎるのか。自分にとっての染織とは、ちいさな色の違いや輝きを求めその色の出会いを見つけにいく旅のような気がしています。まだ旅の準備段階、どんな景色に出会えるのでしょうか。わくわくしています。

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